ブログ紹介

フィリピン・バギオ市在住 ㈱TOYOTAのブログです。旅日記・書評・メモなどなんでも詰め込むnaotonoteの文字通りオンライン版。
現在は英語学校 PELTHで働いています。過去のフィリピン編の記事は、学校のブログに転載しています。

2011-09-19

サント・トーマス大学 / ボニファシオ

承前:ムスリム街 

【2011.08.01】
マラカニャン宮殿を出て、次に目指すのはサント・トーマス大学。マカラニャンからMendiora → Quezon と通り沿いに歩きます。ん? ケソン通り? これはあれですね。以前待ち合わせに使おうとしたケソン・メモリアルパークまで続いている道ですね。なんとなく、高架下の雰囲気が246沿いの風景に似てなくもない?

University of the east。直訳すれば「東大」だ!
このあたりは、大学が集中している地区らしく、露店の古本市場や、フィリピン大手の本屋チェーン、National book storeなどが並んでいます。さしずめ、マニラの神保町か?

■サント・トーマス大学

途中、昼飯を食べ、本屋に入り、着きました。セント・トーマス大学。1611年創立の、アジア最古の大学。フィリピンのエリート校のひとつでもあり、卒業生には有名な政治家もちらほら。

校門を入ると、おそろいのジャージをまとって体育の授業? をしている一群に遭遇。2本の棒を持って、ずらっと並んでいます。たぶんこれだけじゃ何やってるのかわからなかったと思うんですが、運よく昨日しょーへいさんが話していたのを思い出しました。加えて、さっきよった本屋にもそれらしき本が並んでいたので、すぐにピンときました。これ、フィリピンの伝統武術で「カリ」というらしいです。しょーへいさん曰く、スペインがフィリピンの植民地支配を進める上で、カリを駆使する山岳民族の抵抗に相当てこずったとかどうとか。


あくまで練習だったので、僕が見たのはここまですばやい動きではありませんでしたけれども、流石に先生にはなんともいえぬ風格が漂ってました。大学でこういう伝統武術教えてるって、いいですね。

シンボルとなっている、メインキャンパス。中に入ると…
学生がめっちゃいっぱい。おそらくはフィリピンの未来を担うエリートたち。
今年はちょうど創立400周年です。古い!
■アンドレス・ボニファッシオ

これでほぼ今日の目的地は全部回ったんですが、もう一つ見たかった場所があったことを思い出し、ついでに行ってみることに。徒歩でLRTの駅まで行き、路線の最北端である、ボニファシオ駅まで。ここには、リサールと並ぶ、フィリピンのもう一人の英雄、アンドレス・ボニファシオ(Andres Bonifacio)の銅像があります。

ボニファッシオは、簡単に言うとフィリピンの独立革命を戦った革命家、あるいはゲリラの親玉です。割と平和路線の独立を目指していたリサールと比べて武装蜂起ありきの革命を志向していましたし、フィリピンのエリート・資産家を中心としたアギナルドの一派と比べても、庶民派かつ平等思想の持ち主であり、リサール死後につくられた革命組織、カティプナンの中ではアギナルド派に追いやられ、処刑されてしまいます。

リサールと並ぶ英雄であることは間違いないのですが、最後まで武力革命を目指したことから、アメリカにとって彼の存在は都合が悪く、その影響化にある歴史観のうえでは不当に評価されている面も否めません。実際、リサールの銅像はフィリピン全土でこれでもか、というくらいに見受けられますが、ボニファッシオの銅像を見るのは、この銅像が初めてです。このあたりの、リサールとボニファッシオの評価について、現地でであった元政治学教授から興味深い話を聞けたので、そのうち記事に書きたいと思います(→こちら)。
一応、大きくて目立つ場所には立っているんですが、
ロータリー交差点に囲まれているため、島に渡るのが一苦労。
あまり親しみやすい場所にあるとはいえませんね。
ともあれ。銅像はなんとも迫力があってかっこええものでした。満足。碑文がタガログ語でまったく読めなかったのが残念。

■空港へ

さて、これにてマニラ観光は一応終わりです。あとは明日、日本に帰るだけ。同行していたあっちゃんも、明日オーストラリアへと旅立ち、これからワーホリして暮らす予定です。僕はマニラ到着後にステイした空港近くの宿を予約していたので、あっちゃんとはここでお別れ。ばいばいあっちゃん! また!

もうLRTはラッシュの時間だったので、バックパック背負ってLRTに乗るのは非常にしんどい…。ので、タクシーで宿まで移動。

タクシーの運転手は自分が日本人だということを知ると、とあるお札を手渡してきました。ぱっと見「?」なんですが、良く見ると紙幣の額面は1ペソ。1ペソの紙幣? 1ペソは現在、普通は硬貨でありまして、かろうじてガムが1ピース買える値段。もっと良く見るてみると「THE JAPANESE GOVERNMENT」の文字が。なんと日本統治時代に使われていた紙幣だそうです。おじいちゃんから譲り受け、たまに日本人の客を乗せては、そのつど自慢しているとのこと。ともあれ、いいものを見せてもらいました。

【フィリピンの旅 マニラ編】
・マニラ滞在記 01 -マニラ到着-
・マニラ滞在記 02 -ケソン合流作戦-

・マニラ滞在記 03 -スモーキーマウンテン-
・マニラ滞在記 04 -エドゥサ聖堂-
・マニラ滞在記 05 -リサール公園 / 再会-
・マニラ滞在記 06 -イントラムロス(前編)-
・マニラ滞在記 07 -イントラムロス(後編)-
・マニラ滞在記 08 -ムスリム街-
・マニラ滞在記 09 -聖トマス大学 / ボニファシオ-
・マニラ滞在記 10 -帰国-

フィリピンの旅 記事一覧





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