ブログ紹介

フィリピン・バギオ市在住 ㈱TOYOTAのブログです。旅日記・書評・メモなどなんでも詰め込むnaotonoteの文字通りオンライン版。
現在は英語学校 PELTHで働いています。過去のフィリピン編の記事は、学校のブログに転載しています。

2010-10-07

『独女世界放浪記』

いま、都内の某書店でバイトしてます。いつも「次はこれ読もうかなー」って目をつけながら働いているのですが、この本も「次読むリスト」に入ってた本のひとつ。そんな中、まさかの著者ご本人様が営業でご来店! 話を聞いているとやはり面白そう…。仕事中にも関わらず、その場で買って、あつかましいことにサインまでいただいちゃいました。




■女性ならではのトラブル

副題は「世界一周だいたい50カ国、510日」。著者が女性の方なんですが、こういうバックパッカーの旅行記で女性ものって、そういえばあまり目にしたことがありません。というわけで、この本で目立つのは「女性ならではの旅行トラブル」です。具体的に言いますと、要は「旅先であったセクハラ」です(笑)例えば、エジプトでスパイスを買いにでかけたときのエピソード。南さんは、とあるスパイス屋に呼び止められます。
そしてそれからもどんどんスパイスの説明が続く…
「この実をかじると君のナイトライフがグレイトだよ」
「この紅茶を飲むと君のバストは大きくなるよ」
そんなことを言いながら、男はさり気に私の胸元をタッチしてきた。や、やべーこいつ。ちょっとおかしいかも。
(中略)
足元の棚にサフランらしきものがあったので腰をかがめて見ていると、後ろからこう声をかけたれた。
「ほらこれを見て。すごい効果だろ?」
その声に後ろを振り返ると、しゃがんだ私の目線の先には……イスに腰掛けた男が、ワンピースタイプのイスラム服を腰までめくりあげ、
○○○まるだしっ!!
「キャあァァァ~~~っ!!!」
びっくりしてしりもちをつき、後ずさりして逃げ出そうとすると、
「ノーノー、ジャストルック!」
いやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいや。見てるだけでとか、そーいう問題じゃないしっ!(pp.106・107)
とまぁこんな具合に、セクハラを受けたエピソードが満載です。実際に著者の南さんにお会しましたが、とっても綺麗な方でした。放浪に出かける前には女優業をされていたそうです。そりゃあ、外人にモテるのも納得です。

女性の一人旅って、やはり男が一人旅をするのとは違った危険があるので、大変ですね。僕なんかは、主な旅先が治安も割といいヨーロッパ中心でしたし、夜も夜景を見るために平気で出歩いてましたけど、女性ではそうも言ってられないので、仲間の女性バックパッカーからうらやましがられたことがあります。

…とはいえ、男でもセクハラにあう危険性はあるので注意が必要っちゃ必要なんですけれどもね…。僕もパリでゲイに○○○をまるだしにされたときには仰天しました。外人って、○○○を見せびらかすのが好きなんですかね? 女性と男性じゃ一口に「襲われる」って言っても違いますけど、自分も同じような体験があるので、南さんの本はかなり感情移入しながら読めました。

■女性ならではの「オトク」

逆に、女性ならではの、得することもあります。作中では、ネパールでの国境越えの際、ビザが切れていたために払わなくてはいけない罰金を、泣き落とし作戦で切り抜けたエピソードなどが紹介されています。そう、男にない女性の最大の武器はやはり「涙」なのかもしれません(笑)いたるところでドリンクをタダで振舞われたって記述がありますが、たぶん男だったらこうはいかなかったんじゃないかな。まぁ、相手がゲイなら、ある程度通用するかもしれませんが…。

日本人女性は海外でモテるので、外人からナンパされやすいみたいです。知り合いに、それを逆手にとって、食事をおごらせたり観光案内させたりしながら全然お金を使わずに旅をしている女の子もいました。曰く、「ローマに一週間くらいいて1ユーロも使わなかった」とのこと。

…とまあ、メリット・デメリットの両方ある女性の一人旅ですが、南さんは「旅の経験は私の宝物」と締めくくっています。旅行記にはその土地の風土や地理・観光名所を紹介するタイプのものと、その土地であった出会いを中心に書くタイプのものがありますが、この本は完全に後者です。やっぱり旅って、見知らぬ人との出会いがあるから最高に面白いんですね。

これから一人旅に出る人、特に女性のバックパッカーには必読の一冊です。


南まいさんのブログ:『ぐるっと!世界一周


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