今日は、フィリピンの交通事情について書きます。
「フィリピンの」とはいったものの、僕は今までマニラに一瞬立ち寄り、そのままバギオに滞在して現在2週間目なので、実際フィリピン全土の交通事情を把握しているわけではありません。ただ、フィリピン全土で見かけることができる、この国特有の面白い乗り物があるので、それについて、書いてみようかと。
そもそも、フィリピンは7017の島からなる島国なので、鉄道はあまり発達していません。唯一ルソン島にはフィリピン国鉄が路線をもっていますが、島から島への移動は船か飛行機、内陸はバスで移動というのが一般的なスタイルです。
(▲フィリピン国鉄路線図 Wikipediaから拝借。残念ながら、今いるバギオには路線が延びていません)
実際、僕もマニラからバギオまでは高速バスを使用しました。都市から都市の間では、高速バスの路線網が充実していますが、街中で活躍するのが、ジプニー Gypny です。
見てのとおり、非常にハデですね。外見はバスの運転手の好みでそれぞれにカラーリングされているので、まったく同じ外装のジプニーは、無いといっても過言ではありません。なかには、日本のアニメのキャラクターが描かれたジプニーもあります。
乗り方ですが、非常にアバウトです。一応、人の集まりやすい交差点の前にはバス停みたいなものがあるのですが、好きな場所で止め、好きな場所で降りることができます。乗ったら、まず行き先を告げる。料金は距離によって変わるので、それに応じた金額を払います。降りるときは、「パラー(ポ)」といえばとめてくれます(「ポ」はタガログ語で敬意をあらわす言葉)。
ただし、日本のバスのように整理券の発券機があったり、パスモが使えたりなんてことは、もちろんありません。運賃は、運転手に直接渡します。
上の写真はジプニーの車内の様子ですが、非常に狭いです。しかも、だいたい混んでいるので、後ろのほうに座ると、車内前方の運転手まで届かない。そんなときは、客同士の手渡しリレーで、運転手まで運賃を届けてもらいます。おつりがあるときは、また逆のコースで返ってきます。
(▲ジプニーの客室。客室が満杯になったら、車体後方の手すりにぶらさがります。)
こうやってさらっと文章で書いちゃうと簡単ですが、これが結構すごいんです。なにがって、運転手が。
運転しながら、行き先を聞いて瞬時に料金を計算する。運賃が回ってきたら、片手でハンドルを握りながら、片手でおつりを取り出し、それを片手で返す。しかもマニュアル車なので、その間のギアチェンジも忘れません。
はっきりいって、フィリピンの道路事情は、かなり荒いです。車線変更のウインカーなんてほとんど出しませんし、少しでも幅があれば、平気で割り込んできます。日本の感覚を残したままフィリピンで車に乗ると、正直かなり怖いですね。そんな中で、運転・運賃計算・おつりの取り出しを同時並行でこなす運転手を見たときは、かなり驚きました。
ここバギオでは、タクシーも日本と比べてだいぶリーズナブル(例えば、学校~ダウンタウン約5キロ間でだいたい60ペソ=約120円)なのですが、ジプニーはもっと安い(13ペソ)ので、現地では欠かせない交通手段です。
そんなジプニーですが、こういったスタイルの乗り合いバスが普及したのには、フィリピン特有の事情があります。ジプニーの車体のほとんどは、アメリカ軍が昔使用していたジープの払い下げです。そもそも、ジプニー(Jeepney)とは、 Jeep と乗り合いタクシーを意味する Jitney の合成語です。
フィリピンは以前、アメリカの植民地でした(1898 - 1946年)。戦後も冷戦構造のもと、ベトナム・中国など対共産圏への防波堤としての役目を負い、アメリカの重要な同盟国として機能してきた歴史があります。交通手段からも、フィリピンの歴史が見えてきます。
「フィリピンの」とはいったものの、僕は今までマニラに一瞬立ち寄り、そのままバギオに滞在して現在2週間目なので、実際フィリピン全土の交通事情を把握しているわけではありません。ただ、フィリピン全土で見かけることができる、この国特有の面白い乗り物があるので、それについて、書いてみようかと。
そもそも、フィリピンは7017の島からなる島国なので、鉄道はあまり発達していません。唯一ルソン島にはフィリピン国鉄が路線をもっていますが、島から島への移動は船か飛行機、内陸はバスで移動というのが一般的なスタイルです。
(▲フィリピン国鉄路線図 Wikipediaから拝借。残念ながら、今いるバギオには路線が延びていません)
実際、僕もマニラからバギオまでは高速バスを使用しました。都市から都市の間では、高速バスの路線網が充実していますが、街中で活躍するのが、ジプニー Gypny です。
見てのとおり、非常にハデですね。外見はバスの運転手の好みでそれぞれにカラーリングされているので、まったく同じ外装のジプニーは、無いといっても過言ではありません。なかには、日本のアニメのキャラクターが描かれたジプニーもあります。
乗り方ですが、非常にアバウトです。一応、人の集まりやすい交差点の前にはバス停みたいなものがあるのですが、好きな場所で止め、好きな場所で降りることができます。乗ったら、まず行き先を告げる。料金は距離によって変わるので、それに応じた金額を払います。降りるときは、「パラー(ポ)」といえばとめてくれます(「ポ」はタガログ語で敬意をあらわす言葉)。
ただし、日本のバスのように整理券の発券機があったり、パスモが使えたりなんてことは、もちろんありません。運賃は、運転手に直接渡します。
上の写真はジプニーの車内の様子ですが、非常に狭いです。しかも、だいたい混んでいるので、後ろのほうに座ると、車内前方の運転手まで届かない。そんなときは、客同士の手渡しリレーで、運転手まで運賃を届けてもらいます。おつりがあるときは、また逆のコースで返ってきます。
(▲ジプニーの客室。客室が満杯になったら、車体後方の手すりにぶらさがります。)
こうやってさらっと文章で書いちゃうと簡単ですが、これが結構すごいんです。なにがって、運転手が。
運転しながら、行き先を聞いて瞬時に料金を計算する。運賃が回ってきたら、片手でハンドルを握りながら、片手でおつりを取り出し、それを片手で返す。しかもマニュアル車なので、その間のギアチェンジも忘れません。
はっきりいって、フィリピンの道路事情は、かなり荒いです。車線変更のウインカーなんてほとんど出しませんし、少しでも幅があれば、平気で割り込んできます。日本の感覚を残したままフィリピンで車に乗ると、正直かなり怖いですね。そんな中で、運転・運賃計算・おつりの取り出しを同時並行でこなす運転手を見たときは、かなり驚きました。
ここバギオでは、タクシーも日本と比べてだいぶリーズナブル(例えば、学校~ダウンタウン約5キロ間でだいたい60ペソ=約120円)なのですが、ジプニーはもっと安い(13ペソ)ので、現地では欠かせない交通手段です。
そんなジプニーですが、こういったスタイルの乗り合いバスが普及したのには、フィリピン特有の事情があります。ジプニーの車体のほとんどは、アメリカ軍が昔使用していたジープの払い下げです。そもそも、ジプニー(Jeepney)とは、 Jeep と乗り合いタクシーを意味する Jitney の合成語です。
フィリピンは以前、アメリカの植民地でした(1898 - 1946年)。戦後も冷戦構造のもと、ベトナム・中国など対共産圏への防波堤としての役目を負い、アメリカの重要な同盟国として機能してきた歴史があります。交通手段からも、フィリピンの歴史が見えてきます。
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