ブログ紹介

フィリピン・バギオ市在住 ㈱TOYOTAのブログです。旅日記・書評・メモなどなんでも詰め込むnaotonoteの文字通りオンライン版。
現在は英語学校 PELTHで働いています。過去のフィリピン編の記事は、学校のブログに転載しています。

2008-04-04

『ウェブ人間論』

梅田望夫の『ウェブ進化論』シリーズ。今回のテーマは、「WEB2.0で、人間はどう変わるか」



イノベーションの21世紀、「大きな時代の変わり目」を生きる同時代人としても、歴史を勉強する学生としても、非常に興味深いテーマです。

ウェブと人間との関係論でもあり、かつ、WEB2.0時代の人間とはいかなる人種かを考察する対談でもあります。その意味では、あとがきにも書いてあるとおり「ウェブ・人間論」と「ウェブ人間・論」の果てしない往復。作家・平野啓一郎との対談形式です。技術論がメインだった『進化論』に比べて、作家さんとの対談ということもあってか、やはり「人間」に重点が置かれています。

この形式が、うまく当たったんじゃないかと思います。対談の最たるメリットは、お互いの意見が対比されることで、主張の違いや共通点が浮き彫りになることですが、比較的つっこみ精神旺盛のの平野さんと、オプティミスト・梅田さんのやりとりが、とってもテンポいいです。
梅田さんの、
ブログを書き始めて、専門以外のことだと…読んだ本の一部を抜き書きしたりするのって、本当に幸せな時間だなとか、そんなことに思い至るようになった。それは大げさな言い方をすれば、自分で自分を発見したということだったんですよ(P162)

っていうの、実感です。まさしく「書く」という行為は、自分の考えていることを見つける作業だと思います。ブログの登場によって「一億総表現時代」を迎えつつある今、万事相対主義のこの時代で、人々がアイデンティティ・クライシスから身を守るための道具としても、ウェブは機能するんじゃないでしょうか。ウェブという道具を上手く使うことで、環境が目まぐるしく変化する現代でも、自分との対話、所属コミュニティとの対話が容易になる。


というか、対談相手の平野さん、かなり面白いです。世代的にはひとつかふたつ上のニューアカ世代(本人談)。この対談本を読むまで名前を知りませんでしたが、芥川賞受賞者だったんですね。

平野さんの言葉からは、「隙あらば相手が予想もしていなかった鋭い質問をしてやろう」ってオーラが感じられて、対談の緊張感がとても伝わってきます。この本が「対談者同士の自己満トーク」にならなかったのは、平野さんの旺盛なツッコミ精神に拠るところが大きいと思いますね。

もちろん、全ての主張に賛同できるわけじゃありませんが、その小説『葬送』がドラクロワやショパン、ジョルジュ・サンドが登場する19世紀が舞台だとは知らなかった…。19世紀なんて、一番好きな時代じゃないか。早く言ってくれよ、それを…。というわけで、平野作品『葬送』探してみます。どうやら3部作の最後らしいので、場合によっては本格的に平野作品にはまっちゃう可能性もありますね。自分はシリーズものに弱いので…。


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