なにげなく入った神社で、はじめはほぼ素通りだったんですが、掃除をしていた神主さんにいろいろと教えてもらえたので楽しめました。
■黒住教
宗忠神社は、神道の一派である黒住教の改組・黒住宗忠を祀る神社です。黒住教は幕末に起こった新宗教で、金光教・天理教とともに幕末三大新宗教のひとつに数えられます。
朝日を拝む「日拝」を重んじ、これは黒住宗忠が太陽神である天照大神と一体になる体験をしたことから始まっています。というわけで、この黒住教においては、天照大神と黒住宗忠は同格として扱われているらしく、それはこの宗忠神社の構造にも顕著にあらわれています。
写真下をみていただければわかるように、この神社には本殿が並立して二つあるのです。一方では天照大神、もう一方では黒住宗忠を祀っています。
天照大神との一体化を体験した後、布教を開始した宗忠に帰依する公家や皇室の関係者は多く、宗忠の死後、1862年にこの宗忠神社が創建されました。おとなりの吉田神社とのゆかりも深く、この神社は宗忠の門人が吉田神社から土地の一部を譲り受けてたてたもの。幕末の孝明天皇も宗忠に帰依し、孝明天皇の勅願所ともなりました。