ブログ紹介

フィリピン・バギオ市在住 ㈱TOYOTAのブログです。旅日記・書評・メモなどなんでも詰め込むnaotonoteの文字通りオンライン版。
現在は英語学校 PELTHで働いています。過去のフィリピン編の記事は、学校のブログに転載しています。

2012-05-24

続・Physically closest, Spiritually so far.

前回書いた記事、思った以上の反響でした。いやー、我ながら挑発的、というかControversial な記事を書いてしまった。ははは…。

当方、naotonote-online はけっしてアクセス数の多いブログとは言えませんけれども、記事をアップした日だけでも、アクセス数は通常比の約13倍。書いたばっかなのにもかかわらず、いっきに全記事中、アクセス数第4位に躍り出ました。

で、ブログのコメント欄に加えて、Facebook、Twitter、Skype、メール、電話、あるいは直接いろんな方から様々なコメントをいただきました。読んでくださった方、コメントをくれた方、ありがとうございます。

その中でいろいろ気になった、考えさせられたものについての紹介や、加筆したいことまぜて、編集後記的な記事を書きたいと思います。

 ■やっぱり韓国は苦手派

外国に長く住んでいる人、外国で韓国人との付き合いをせざるを得ない環境にいる人は、やはりこの傾向が強い様です。例えば、 Izmからもらったコメント。
ははは。ついに私と同レベルで嫌悪感持ってくれて嬉しいわ。笑 今まで私がイヤだイヤだって言ってもそんなに通じてない感じがあったけど、やっぱり旅じゃなくて実際に暮らしてみると、いや~な部分たっぷり見えるんだよね。 韓国人が多い街では、韓国人は嫌われる傾向にあるしね。LAのKorean Townでは韓国人vs黒人の黒い歴史もあったり。(ロス暴動絡みで) そりゃ無理だよ。あの国民性じゃ。基本的に見合わないプライドを持つ民族だからケンカっぱやいのは仕方ないし、日本への劣等感はいつまでも引きずるんだろうね。自己中多すぎだし、それで国が成り立ってるからある意味すごい。 政治的に右にも左にも傾くつもりはないえど、この点においては右っぽくなっちゃう。(Izm)
僕はIzmとヨーロッパ放浪中の2007年に出会いました。前回の記事に書いたとおり、僕は当時、韓国人について好印象をもってた。しかし、その時すでにアメリカに留学経験があり、アメリカにおける韓国社会のなんたるかを知っている彼女とは、韓国人についてどう思うか、あまり意見が合わなかったのです。

でも、彼女から言わせれば、「トヨタは韓国人のいい側面しか知らない、悪い面を知ったらそんなことは言ってられない」ってことだったんだと思います。実際、彼女の言ったとおりになりました(笑) 

他にも、友人からそのお姉さんの話を聞きました。

そのお姉さんを仮にAさんとしましょうか。Aさんは現在、オーストリアで出会った韓国人の夫がいるのですが、はっきり言って韓国人は嫌いなんだそうです。夫が長男なので、その妻であるAさんは、夫の家族の面倒をすべてみる責任がある。これが韓国文化。

夫のことは好きだけど、韓国人・韓国文化は嫌い。正直、韓国で生きるのは辛い。そう考えたAさんが選んだのは、第3国で暮らすということ。今Aさん夫婦はカナダで暮らしているそうです。これは、韓国人の恋人がいる人にとっては参考になる話かもしれません。

■国籍・人種は関係ない派

やっぱり、韓国人だろうが日本人だろうが、いい奴はいい。悪い奴は悪い。人の評価に国籍や人種は関係ない。という意見は多かった。これは、僕も記事中に書いたとおりです。

中でも考えさせられたのは、某宗教系大学の学生たちからのコメント。
自分は仏法者ないしカルト教団の一員として見られる事にストレスを感じてきたので、「集合」ではなく「個」で見る脳に形成されています。(Bくん)
思った事ですが、理解出来る事は多々ありました。ただ、Bくんと少し重なる意見ですが、俺は何よりも「個」を重視していきたい、尊重していきたい人間なので、文化や国籍等を過度に意識してしまう事を嫌います。余計な先入観が働いては、その人をしっかりと見る事が出来ないですからね。(Gくん)
同じ日本人同士でも、「あいつは●●の一員だ」と色めがねで見られてしまう環境下にいる人たちのコメントだけに、説得力があります。

■在日韓国人と本国の韓国人

前回の記事を書く上で、常に頭からはなれなかったのは彼の存在でした。在日韓国人のりゅじゅん。ブログ、Facebookともにコメントありがとう。

りゅじゅんとは2011年のバギオ英語留学のときのルームメイトで、3ヶ月間ずっと一緒に過ごし、学校を卒業したあとも何度も一緒に飲んだ仲。はじめは日本語を喋れることを隠していたので、部屋の中や学校では英語でしゃべっていました。それがある日、遅れていった飲み会で「遅いよトヨタさーん!」って日本語で喋りかけられたときはガチで驚いた。「えぇ!? お前そんな日本語流暢にしゃべれたんかい!!」って(笑)

彼は僕の卒業時に仲間とビデオレターを作ってくれたのですが、それを見ると、いまでもボロ泣きしてしまいます。りゅじゅんは本当の意味での親友です。前回のブログに書いた「一生付き合っていきたいな、って思う奴」ってのは、実際彼のことです。

興味ぶかいな、と思ったのは、彼が本国の韓国人に対してどう思っているかについてです。りゅじゅんは日本で生まれ育ち、日本語も普通の日本人と同じ、もしくはそれ以上に流暢(というのも、2ちゃんねる用語を自在に使えるレベル 笑)。

ただ、あまりにも日本語ができすぎるのも、タマに傷。りゅじゅんは今韓国の大学に通っているのですが、本国の韓国人から言わせると、在日朝鮮人の韓国語は「日本なまり」に聞こえるらしいのです。 そして、それによって受ける差別。

韓国では日本人を蔑称で「チョッパリ」というらしいのですが(英語でいう「ジャップ」に相等)この蔑称は在日韓国人に対しても向けられるそうです。要は日本の手先だ、ってことらしい。りゅじゅんは自分が韓国人であることは誇りに思っているけど、本国の韓国人は「クソだ」と言っています(話は少しそれますが、在日韓国人は日本と本国から2重の差別をうけている、というのは考えさせられる点です)。

ともあれ。韓国では、親日派 = 売国奴に等しい。 

実際、日本の植民地時代にも評価すべき点はあるという「日本擁護論」を展開した呉善花いう作家は、後に韓国への入局拒否をくらいました。

このへんの嫌な意味での団結力と排他性、偏狭なナショナリズムは、僕はどうしても好きになれません。歴史的な理由から反日感情があるのはわかるけど、なにも暴力に訴えることはないだろ。在日韓国人は同じ血が流れてる同胞じゃないのか? 差別の対象なのか?

■じゃあ、日本人はどうするべきなのか

さっき「歴史的な理由」って言いましたけど、ここに関しては、日本側にも非があると思います。というのも、韓国では日本が植民地時代にしたことに関して徹底的に教わります。それと比べて、日本人はその点に関しての知識がなさすぎる人が、あまりにも多過ぎる。

僕は大学時代の専門が歴史でしたし、高校時代に韓国の姉妹校生徒と相互ホームステイをした経験もあり、日韓の歴史問題にはもともと興味がありました。けど、そんな僕からみても「え? そんなことも知らないの?」ってくらい、日韓の歴史について無知な日本人は多いと思う。例えばそもそも、韓国が日本の植民地だった、ってことすら知らない人もいます。…さすがにこれはまずい。

韓国人にとって腹立たしいのも、その点です。「加害者」である日本人が「なんでそんなことも知らないんだよ!」って彼らは感じるわけです。実際、僕はよく韓国人の友達からその点をせっつかれます。「他の日本人に、歴史を知ってるお前がレクチャーしてやれ」と。

というか、きちんと歴史を知らないと、反論できないんですね。知らないと、韓国側が言っていることを「ふーん、そうだったんだ」って鵜呑みにしてしまう可能性がある。実際、彼らはめちゃくちゃなこと、歴史的事実を無視したことまで言うこと多いですから。竹島問題とかその典型ですね。

韓国人と事実に基づいたディスカッションをするためには、ある程度知識をつけないといけない。その上で反論すべきところは、きちんと反論しなければいけない。それが、僕のスタンスです。

参考までに、関連記事へのリンクを貼っておきます
韓国人と歴史問題を語るために

■今の時点での、僕の結論

最後に、もういちど某宗教系大学生・Bくんがくれたコメントを紹介します。Bくんは在日韓国人であるりゅじゅんと僕との共通の友人でもあります。 
一ついえることは、僕はりゅじゅんは好きです。だからこそ、韓国人が嫌いだとは決して言えません。 
これに関しては僕も痛いところをつかれたなー、と思いました。韓国人にもいい奴はいる、人間の評価に国籍・人種は関係ないって言った以上、「韓国人が嫌い」って表現を使うのは、矛盾する。もう少し言葉の使い方に気をつけるべきでした。
  • 韓国
  • 韓国人
  • 韓国社会
  • 韓国文化
これらの言葉の使い分けを、もう少していねいにするべきだったと反省しています。 という訳で、今後はこう言うことにします。

「韓国文化・社会は嫌いだけど、韓国人の中には好きな奴もいる」 

これが、今の時点での僕の結論です。






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2012-05-20

Physically closest, Spiritually so far.

■僕が韓国人を嫌いになった理由

韓国人とどう付き合うか。
リンツ(墺)で出会い、チェコの旅を約1週間に過ごした韓国人。
とても頭のいい人で、彼から教えてもらったことはとても多い。
歴史認識に関して一度喧嘩した以外は(笑)、

基本的にいい関係を築けていた…と思う。

人口の約10%を韓国人が占めるこの街(フィリピン・バギオ)では、それは現地人にとっても日本人にとっても、避けて通れない問題だ。

僕は本来、韓国人が大好きだ。いや、大好きだった。

ヨーロッパを放浪した2007-08年、そこで出会い、共に旅をした友人たち。その中の何人かは韓国人で、本当にいい韓国人との出会いに恵まれた。韓国人にはいい奴が多い。自分のアタマにはそうインプットされた。当時は日本で『嫌韓流』なる本が流行っていたが、「自分はそんな意見には与しない。韓国人っていい奴らじゃないか。俺は大好きだ」僕は韓国について聞かれたとき、そう答えるようにした。

ワルシャワでの出会いを皮切りに、
その後全くアポもとらずに
ヴァチカン・パリで合計3度も遭遇した韓国人。
こうなってくるともう運命すら感じてしまう。
変わったのは、この街に来てからだ。
この際はっきり言おう。今は韓国人、そして韓国文化が嫌いだ。嫌いになった。 

もちろん、韓国人の中には本当にいい人もいるし、尊敬に値する人間もいる。だけれども、「一般論」として、今は韓国が好きになれない。僕のアタマのなかで、韓国に対する悪印象が好印象を完全に駆逐してしまい、悪いイメージしか持てないのだ。



■韓国社会をひきずる在外韓国人

この街には、韓国人が大勢いる。コリアタウンもある。そして彼らは、ここがフィリピンという外国であるのにもかかわらず、韓国社会を引きずってくる。それは、年下と年上間の厳しい上下関係であったり、男性が完全に主導権を握る恋愛スタイルであったり、韓国式のビジネススタイルであったり、様々な面で現れる。それがときに、現地人や他の外国人との衝突をひき起こす。

先日、日本人の友人が韓国人とケンカをして、負傷した。2週間絶対安静の生活を強いられている。喧嘩の原因は、ここで具体的に書いてしまうと迷惑がかかってしまう人がいるので、詳しくは述べない。しかし、どう冷静に考えても、韓国人が悪い。「日本人に注意されたのに逆ギレして、韓国人の方から殴りかかった」というのが客観的な状況説明だと思う。

この、喧嘩のスタイルが本当に韓国人らしいっちゃ韓国人らしいのだ。まず、人の意見を冷静に聞こうとしない。そして、勝手に相手の意思を誤解する。そして、勝手に逆ギレする。挙句の果てに、殴る。

まぁ、歴史論争や竹島問題のときと全く同じパターンだ。日本側の意見を聞いてくれようとしない。相手の意見を聞いた上で、それを踏まえて反論する心構えがそもそもない。 建設的な議論が成り立たない。

現地でのビジネスのやり方も、韓国式だ。まず、従業員の給料は最低賃金法で定められた金額を割っていて当たり前。当局には賄賂を渡したり、手厚い接待で見逃してもらう。基本的に従業員は単なる労働力として割り切っていて、待遇に納得がいかないものは、去るもの追わず、さよーなら。この際はっきり言おうと思うが、僕が以前まで働いていたBECIという韓国資本の英語学校も、そういう経営スタイルだった。先生たちを低い賃金で雇い、使い捨てにする。そういうスタイル。

これはサムソンのやり方と同じパターン。「家族型経営」の日本式ビジネススタイルからは、ちょっと理解しにくい(このへんのサムソン型経営について、下に紹介するNewsweekの12年3/28号に詳しく書いてありますので興味ある人はそちらをどうぞ)。 


あるいは、恋愛。韓国人と付き合う日本人の女の子も多い。しかし、この街で長く続いている日韓カップルを、僕はまだ見たことがない。原因は、やはり文化の壁だ。韓国人の男は、韓国スタイルの付き合い方として、彼女に絶対服従を求める。彼女のスケジュールは彼氏が把握していてあたりまえ。彼女の部屋に勝手に入り込んでくるのもあたり前。「草食系」の日本人男性に飽きた日本人女性は、始めアグレッシブに口説いてくる韓国人男性に魅力を感じるも、付き合ってみるとやはり文化の壁にぶち当たり、うまくいっていないのがパターンのようだ。

もっとも、恋愛の問題に関しては「どちらが悪い」と言い切れない場合が多いので、ここで一方的に韓国人、あるいは韓国文化を非難するのは、フェアな態度とは言えない。僕はただ、一般論として「こうなりがちだ」という指摘をしただけにすぎない。

たぶん、ヨーロッパで韓国人と付き合っていたときは、お互いに知らない土地でバックパッカー、つまり異邦人同士だったから、幸運にも韓国人の「いい面」だけを見ることができたのだ。だけど、今は韓国社会が存在する場所で、彼らの「悪い面」が嫌でも目についてしまう状況下で暮らしている。この街にきてから韓国人が嫌いになったのは、たぶんそういう理由からなんだろう。

■現地人は韓国に対してどう思っているか

事実、現地のフィリピン人は韓国人のことを嫌っている。

そう言い切ってしまって問題はないと思う。

「街から出て行け!」くらいはともかく「韓国人を殺せ!」と興奮しながら僕に訴えかけてくるフィリピン人もいるくらいだ(いや、本当なんですよこれが)。

話は少しそれるが、韓国人がこの街で「悪さ」をしてくれているおかげで、日本人の印象が相対的に良くなっているのはラッキーなことかもしれない。実際、この街(バギオ)は第2次大戦中に在フィリピン駐留日本軍の司令部があった街で、日本軍は当時それなりの数のフィリピン人を殺している。当時を知る世代の人なんかは、未だに日本に悪印象を持っているのも事実。しかし、そんなことも忘れさせるほどのインパクトが、韓国人の行いにはある。

古くからバギオに住む日本人の先輩諸氏が日本=フィリピン友好のための慈善活動をしてくださってきたおかげも相まって、この街ではあまり日本人に対する悪い評判はあまり聞かない(あえていうなら、「日本人はもっときちんとリーダーシップとれよ!」くらいの好意的な(?)せっつきはある)。

対韓国追い出し政策を推進する
Mauricio Comogan バギオ市長
(写真はWikipediaから)
この街を歩いていると、だいたい現地のひとは僕を韓国人だと勘違いする。フィリピン人から見たら、日本人も韓国人も同じ顔なのだ。しかし、「違う、日本人だ」と訂正すると、彼らは嬉しがる。嬉しがって「あー、日本人か! すまんね! 韓国人かと思った! 実を言うと、俺は韓国人大っ嫌ぇなんだよ!」って話になることが多々ある。

実はいま、この街の市長が韓国人を嫌っている。増え続ける韓国人人口と、それに伴うトラブルの増加に嫌気がさし、市当局としても対応の必要性を感じているらしい。彼は今、違法行為を行なった韓国資本への締め付け強化など、韓国の「追い出し」政策を模索している段階だ(もっとも、これが成功するかどうかはわからない。どんなに韓国企業のやり方がエグいとはいえ、この街で韓国資本に依存している現地人がいるのも事実なのだから)。

…こういう経験を重ねていると、「韓国人は世界で一番嫌われている民族だ」っていうのも、あながち嘘じゃないんじゃないか、信ぴょう性があるんじゃないか、って思えてくるのだ。

■おわりに

うーん、なんだかいろいろ思ったことを思いつくままに書いてみて、思いっきり韓国をディスった内容になってしまった。できるだけ冷静に書いたつもりなんだけれども、それが出来ているかどうかは、読者の方々の判断に委ねたい。

ただ、もう一度言わせてもらうと、僕にだって、韓国人の友達はいるし、その中には本当にいい奴だ、尊敬に値する、って人もいる。こいつとは一生のつきあいになるだろうな、っていう、本当に一緒にいて快い気分になる韓国人もいる。逆に、日本人の友人のなかに「こいつとはどうしても付き合えない」って人もいる。

つきつめていえば、人の評価を国籍で判断するのは間違いなんだろう。そいつがいい奴か悪い奴か、その判断に国籍・人種は関係ない。

ただし、繰り返しになるけれども、この街においてはれっきとした韓国社会が存在し、それとどう付き合うかは避けて通れない問題なのだ。フィリピンにいて、フィリピン人とどう付き合っていくかよりも、フィリピンにいる韓国人とどう付き合っていくかの方が深刻な問題になってしまうところが、なんとも面白い。…面白い、というか、正直にいえばなんでフィリピンにまで来てこんなことで頭悩まされないといけないんだ…って思う。 

地図で見るとこんなに近いのに…。
ちなみにドクトじゃなくて「竹島」、東海じゃなくて日本海だからね!
実際、韓国人とつきあっていて思うのは「日本と韓国は物理的に一番近く、それでいて精神的に一番遠い国だ」ということ。日本と韓国は、近いようで遠い。日本文化と韓国文化は、似ているようで全く違う。 

この街で暮らす限り、これからも彼らとの付き合い方は模索しないといけない。いや、この街に住む人々に限らず、すべての日本人にとって、韓国とどう付き合っていくかは、一生避けては通れない問題なんだ。

「日本と韓国は、引越ししたくてもできない隣人の関係」とは、まさしく的を得た表現に聞こえる。

たぶん、僕と似たようなことを考えている人は多いと思う。そんな人がいたら、ぜひ「こうしたらいいんじゃないか」っていうアドバイスをしていただきたい。

また、もしかしたら日本語を読める韓国人が、この記事を読んでいるかもしれない(たぶん、さぞや気を悪くされたことだろう)。そしたら遠慮なく、この記事に対する反論なり、あなたが日本に対して思っていることを言って欲しい。そうやって議論・喧嘩を重ねていくことが、長く付き合っていくためには必要不可欠なんだと、僕は思うから。


【関連記事】韓国人と歴史問題を語るために

反響が大きかったので、続編を書きました 
続・Physically closest, Spiritually so far.



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2012-05-02

歴史における正解率
-とあるフィリピン人との会話から-

彼との出会いは、2011年の7月だったと記憶している。名前はRolly。元UP(University of the Philippines 日本でいう東大)で政治学を教えていた教授だったので、フィリピンの政治について興味があった自分とは、話が合った。

話が合う、なんていうのも大それた話で、彼の語る内容に、自分はとにかく聞き入った。フィリピンの政治体制から、各大統領のエピソード、彼がフィリピンの政治の世界に関わってきて思ったことなどなど、全てが興奮に満ちたもので、彼が思っていることを引き出そうと、自分は拙い英語力をフル稼働させて、とにかく彼に質問をしまくった。

いろいろ語り、いろいろ教えてもらった中で、一番印象にのこっている彼の台詞が、これだ。
「我々フィリピンが体験した歴史のうち、その75%以上は間違いだった」
あるのは事実だけで、歴史に間違いも正解もない。歴史にIfは存在しない。…そういう立場をとる歴史学者にとっては、即転倒ものの挑発的な発言だ。

確かに、この国は過去のいくつかのタイミングにおいて、克服しなければいけなかった問題を放置、あるいは解決できなかったことで、今も苦しみ続けている。日本では60年前に終わった「農地改革」なんていうのも、この国ではずっと、解決が望まれながらいつまでもめどがつかない政治的テーマのひとつだ。

フィリピンでは誰もが口をそろえて褒め称える国民的英雄、ホセ・リサールについて、Rollyはこう語る。
「リサールは確かに称えるべき対象ではあるが、我々が選択するべきだったのは、彼の道ではなかった。我々が選ぶべきだったのは、アンドレス・ボニファシオの道だ。独立は、戦って勝ち取らなければならなかった。血を流してでも。リサールは優秀だったが、その方法はあまりにも平和を志向しすぎた。リサールの存在は実際、アメリカにとって、都合がよかったのだ。リサールがこの国で未だに褒め称えられ、ボニファシオが不当に評価されているのは、アメリカの世論操作が原因だ」
フィリピンは歴史的に見て、独立をアメリカから「与えられた」国なのは間違いない(このあたりの事情は、こちらの記事を参照)。自力で勝ち取った独立ではないから、ベトナムの様に、外国勢力を追い出して、血を流して勝ち取った独立ではないから、未だにアメリカや外国資本と協力関係にある支配階級がこの国を牛耳っている。確かに、フィリピンがボニファッシオの道を選んでいたのなら、この国の現在は違ったものになっていただろう。

実は、彼の大学生時代は、独裁者マルコスの時代とオーバーラップする。戒厳令が敷かれる中、彼はマルコス反対運動に参加し、投獄された経験もある。その後UPで政治学の教壇に立つも、教え子が政治家になり、出世するにしたがって汚職に手を染めてくのをみて、その世界にいるのが嫌になったらしい。リサールよりもボニファッシオを評価する彼の主張も学会では傍流で、あるいはそのあたりも、教授職を辞めた原因なのかもしれない。

「フィリピンの歴史のうち、75%は間違いだった」と断言する彼の目は、どこか寂しそうでもあるけれど、それでいて力強い。あくまで歴史には「正解」があるはずで、我々フィリピン人はそれを求め続けなければいけない。そう力強く語っているかのような目だ。

フィリピンの歴史の75%が間違いなら、翻って日本はどうなのか。

幕末・明治維新までの流れ、は間違いなく「正解」だったと思う。日露戦争も「正解」だろう。エラーを犯したのは、どこからだ? 満州事変? 日中戦争? 真珠湾攻撃?

戦後の奇跡的な復興を「正解」だとしても、90年代以降の失われた20年は明らかに「間違い」だろう。いけなかったのはどこからだ? 経世会の内紛をきっかけに始まった90年代の政局? 新自由主義に転換した小泉時代? 09年の政権交代と、それに続く民主党政権の混乱?
…。

Rollyは日本の歴史について、「間違いがあるとしても、せいぜい20%くらいじゃないのか?」と僕に言った。

彼が何を根拠に20%と言ったのかは知らないが、未来の日本人が過去を振り返ったときに、「2010年代前半が、日本の悪い意味での転機だった」と言われないようにしたい、と思う。



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