ブログ紹介

フィリピン・バギオ市在住 ㈱TOYOTAのブログです。旅日記・書評・メモなどなんでも詰め込むnaotonoteの文字通りオンライン版。
現在は英語学校 PELTHで働いています。過去のフィリピン編の記事は、学校のブログに転載しています。

2008-01-27

欧州で考えたこと02 -言語編-


今日は、久々に旧友と会いました。仕事で自分の地元の隣町まで来てるということで、まぁどうせなら会おうかという話に。こいつとは昔、いろいろドンパチやったりもしたけど、そういう過去があるからこそ、じっくりと話が深まる部分もある。なんたって、今じゃサークルで1番長い付き合いだからねぇ(笑)

あっちでは、その日にあった人と飲んだり、世界中のバックパッカーと不慣れな英語で話したりして、かなり貴重な体験ができた。けれども、やっぱりお互いの暗黙知が少なかったり、日本語独特の機微が英語に訳せなかったりしたせいで、会話の深まり方に限界があったのも否定できない事実。

帰ってきて思うのは、やっぱ母国語って、1番長く使ってるから、細かい表現ができて便利ですよね。実際、あっちで生まれたっていう日本の人なんかには、日本語独特の表現が、通じにくいこともありました。たぶんその人にとっては、母国語は日本語ではなく、その現地の言葉だからです。

世界に数ある言語の中でも、やっぱり、日本語って、綺麗な言葉だと思う。え、フランス語も綺麗?自分には理解できません(笑)

ずっと昔から好きで、旅してる間もずっと、心の支えにしてた曲がある。ポルノグラフィティの『うたかた』って曲。旅人の詩として読むこともできます。

ポルノのファンならたぶんうなづいてくれると思うけど、『うたかた』は本当にいい曲だ。歌詞といい、曲のリズム、編曲といい、本当に完成度が高い。中でも歌詞は本当に感動するくらい綺麗な言の葉の連続で、詩人・岡野昭仁の面目躍如といった感がある。

あっちで会ったポーランド人に、この『うたかた』を聞かせてみた。(まぁ、いかにも「オリエンタル」な雰囲気を醸し出した曲だし)彼はこの曲を気に入ってくれたみたいで、なんとか英語に訳してみようと、辞書片手に頑張ってみた。
うたかた [泡沫] …
1.水の泡:bubbles
2.はかないこと:transience ; evanescence
¶うたかたの恋 a short-lived love
 無理やり英語を当てはめることはできるんだけれども、英語に訳すと、歌詞の綺麗なリズムが崩れてしまう。しかもこの詩で昭仁は、「あなた」を「貴方」とか「貴女」とは書いていない、つまり性別を特定していないので、heとかsheとか、性別を特定しちゃう言語の英語にのせようとすると、それだけで作詞者の意図を無視してしまうことになってしまう。「帰る」と「還る」じゃ意味が違うし、「消えた」と「滅えた」も違う。

…。


どうしてもうまい訳ができなくて、結局諦めた。だいたい、アルファベット文化圏には、「数多」「幾千」「泡沫」なんて言葉を理解する、土台となる文化はあるんだろうか?「燦々(さんさん)と浴びてみようか」なんて、そもそも訳せるのか?漢字文化圏の人間じゃないと、無理かも…。そんなことを、考えてしまった。

…誰か、この歌詞を綺麗に訳せる人がいたら、手ぇ貸してください。





宣伝。この「うたかた」はポルノグラフィティの5thアルバム『THUMPx』 (サンプ サンプ サンプと読む) に収録されてます。名曲なので、是非一度、お聞きくださいまし。

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