主な内容・主張としては、
- 3・11大震災後、自衛隊がいかに行動したかのドキュメンタリー
- 自衛隊が災害を含めた有事に対応できるのは「軍隊」だからだ
- 自衛隊の任務は日本の「国体」を守ることだ
- 中国の海からの侵略に警戒せよ
- 少年工科学校・江田島幹部候補生学校のルポ
- 段階的な「脱原発」ではなく、即時の脱原発を
といったところ。震災後の自衛隊の救出活動に関しては、思わず目頭が熱くなることもしばしば。「即応予備自衛官」なる人たちがいて、今回の救出作戦にも参加していたことははじめて知りました。
対中国防衛論の話題は、フィリピン滞在の直後だったので、とても生々しく感じました。当時フィリピンではスプラトリー諸島の問題で中国とリアルタイムでもめていました。先生が授業中に愚痴りだすレベルだったので、現地では一番大きな話題であったような印象があります。
この戦場ではフィリピンの劣勢がほぼ確定しているわけですが、じゃあ日本は大丈夫なの? って問いに、若干の安心感を与えてくれるのが少年工科学校と、江田島幹部候補生学校の取材編。ともに海上自衛隊の訓練学校ですが、日本と中国では、兵の「質」と「士気」がぜんぜん違うんだ、って指摘に、少しほっとしました。
もうひとつなるほど、って思った指摘は、中国共産党政府がチベット・ウイグルなど非漢族を弾圧するのは、逆に彼らから支配を受けてしまう可能性の裏返しである、ということ。確かに中国の歴代王朝には、それこそ北魏(鮮卑族)に始まって、元(モンゴル人)、清(満州族)など、漢族が支配される側だった歴史も多々あります。どうも弾圧する共産党・弾圧される非漢民族ってイメージが定着していますが、中国大陸内における、民族間のヘゲモニー争いって文脈でこれを考えたら面白いなって気付かされました。
本書を読んで、航空自衛隊に入隊した友人のことを思い出しました。陸自・海自に関してはかなり言及されていますが、「空からの防衛」についてもいつか論じてほしいな、と思います。
本書を読んで、航空自衛隊に入隊した友人のことを思い出しました。陸自・海自に関してはかなり言及されていますが、「空からの防衛」についてもいつか論じてほしいな、と思います。
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